不十分な回答に怒りの声 再回答を要求

 5月19日、「埼玉県公立高等学校入学者選抜に関わる要求書」に基づく県教委交渉が行われました。

 交渉では、「働き方改革」に伴う業務縮減の観点から、「学習の記録等一覧表等」の必要性を正しその廃止を求めましたが、当局からは納得できる回答はありませんでした。一覧表はかつて教科の5段階評定が相対評価だった時の「名残り」にしか過ぎません。県教委は「まれに、一覧表の差し替えが行われた事例は把握している」としていますが、調査書の評定が誤っていた事例はありません。調査書の数字を改めて一覧表と確認する必要性はなく、引き続き廃止を求めていきます。
 面接を実施している学校でのその得点の開示を求めましたが、「入学者選抜業務の適正な執行に支障が生じる恐れがある」との抽象的な理由で開示することを認めませんでした。具体的な支障について明らかにするよう求めましたが納得のできる回答は得られませんでした。
 「総合的な学習の記録の廃止」を求めました。選抜要領で「各高校が定める基準に従って得点を算出する」としていますが、その基準が示されておらず、また、「調査書の文章を点数化する」ことの困難さ、不公平さから加点対象にしていない高校もあります。「学習指導要領で教育課程に位置づけられているため廃止は困難」との回答でしたが、一方で「道徳」については評価を合否判定の対象とはしておらず、同様の扱いをすべきです。

 「英検など民間の資格試験の取得を加点対象としないこと」を強く求めました。保護者の経済的負担が大きく、一方で、公費で受験できる市町もあることから「不公平」そのものです。「『不公平』であると思わないか?」の質問に対し、明確に見解を示すことができず、県教委の見解を再回答することとなりました。

 また、県教委は1997年の文科省通知を根拠に導入の正当性を説明しようとしていますが、この通知は、「過度の受験競争の緩和」の観点から入学者選抜の改善を求めた通知であり、点数のみでなく面接や実技検査・推薦制度などの積極的な活用を求めているものです。県教委は2012年にはこの通知に反し、推薦入学を廃止しており、一方で資格取得のために「補習や通塾の激化」につながっており、その観点からも廃止すべきであることを強く主張しました。

 その他、「学力検査の得点開示」「部活動の記載」「選択問題の評価」「インターネット出願の導入」等についても交渉しましたが、いずれも不十分な回答でした。いくつかの項目については文書での再回答を求めるとともに、引き続き誠意ある交渉・協議の継続を確認し交渉を終了させました。

 引き続き要求の実現を求め交渉・協議を重ねていきます。


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