教員の命と暮らしを守るため「学校の働き方改革」をすすめよう!
5月25日、日本労働組合総連合会(連合)が主催する「学校の働き方改革の実現に向けたシンポジウム」が 全電通会館(東京・千代田区)で開催されました。
シンポジウムに先立ち、中教審の委員も勤める小川正人東京大学名誉教授が、基調報告をおこない「文科省調査では、学校行事や成績処理等の業務は減っているが、授業や授業準備、学習指導などの本来業務が増えている。授業や学習指導の高度化等の要請によることが増加の理由と考えられ、授業内容の大幅な精選や教員の大幅な増員を図ることで、担当授業時数を減らす必要がある」「子どもの知徳体を一体で育んできたことが日本の学校の強みとされてきたが、そうした学校の役割を変えない限り、業務を大幅に減らすのは限度があり、従来の方針、とりくみ、時間外在校等時間の月20時間までの削減は不可能、抜本的な見直しが必要」と発言しました。
その後、「教職員の労働環境を改善し、子どもと向き合う時間を確保するために」をテーマに、文科省(初等中等局財務課長)、PTA全国協議会常務理事、中学校教員(茨城県)小学校教頭(千葉県)によるパネルディスカッションが行われました。
現場の教員からは「小中学校での朝部活の廃止」(千葉では小学校も部活がある)「留守番電話の導入」「アプリでの保護者とのやりとり(欠席連絡等)」等で一定の業務改善はすすんだがこれ以上は現場の努力だけでは難しいとの発言がありました。
人を増やすことが最良の解決策
それらの発言をまとめ小川教授が「地域差、学校差はあるが、それぞれが高い意識を持って働き方改革にとりくんできたが、1日わずか30分短縮できたに過ぎない。既定の方針、とりくみでは、(自民党の提起している)時間外在校等時間を月20時間までに削減するのは不可能。教員の業務を厳しく限定する、教育課程を大幅に精選する、教員を大幅に増やすなど新たなアプローチが必要」と発言しました。
今回、連合がこのようなシンポジウムをおこなったことで、他の働く仲間にも「学校の働き方改革」の必要性が伝わったのではないかと思います。一方で、「~子どもとむきあう時間を確保するために~」となっていることに違和感があります。
部活動なども含め、子どもとむきあう時間を確保しているから現在のような勤務実態があるのです。この働き方改革は「教員の命と暮らしを守るために」何としても実現させなければならないのです。