食・みどり・水は命の問題

 12月2日、「食とみどり、水を守る全国活動者会議」がWeb併用で実施され、「食・みどり・水と環境を守る埼玉県民会議」幹事を務める埼玉教組菊地特別中央執行委員が参加しました。
 冒頭の主催者挨拶で、武藤公明実行委員長(全農林中央執行委員長)は「TPPをはじめとする経済連携協定や自由貿易協定により、日本の農林水産業や地域社会は重要な局面を迎えている」「2024年に予定される『食料・農業・農村基本法』の見直しが、日本の農林水産業の将来や食料安全保障など、私たちの命や暮らしを左右する重要な課題」であることなどに言及し「食・みどり・水は、命に関わる極めて重要な課題であることを参加者全員で共有し地域や職場に持ち帰り様々な運動が広がることを期待する」と述べました。


 会議では2つの講演が行われ、岐阜県垂井町を中心に揖斐川流域で 「フェアトレードタウン運動」をすすめている神田浩史さんが、「流域循環共生圏実現に向けて半歩づつ」のテーマで「高校生流域ツアー」「揖斐川流域未来フォーラム」のとりくみや、揖斐川下流の赤須賀漁協(三重県桑名市)の「ハマグリの資源管理」などについて報告しました。神田さんは「流域単位の循環型社会の再構築をおこない穏豊社会の実現をめざす」と述べました。

 次いで、安藤光義さん(東京大学教授)が「食料安全保障に向けた課題」をテーマに講演しました。安藤さんは「日本の食糧自給率を高めるには、小麦と飼料の国内生産増加にとりくむことが必要」とし、そのためには「飼料の備蓄と増産に国が財政支援をするべき」と述べました。安全保障の観点からも食料確保は重要な視点であり、農林水産業の支援のための予算を増額すべきです。軍事力増強では国民の生活は守れません。また、国が「農業所得増加には稲作からの脱却を推進している」ことを批判し「水田率が低い地域では(耕作放棄など)で保全された農地が減少している」と指摘しました。また、国が集落営農の法人化をすすめていることに対し、「法人化されても後継者は確保できていない」ことを指摘し「国の農政が担当部局毎の対応でしかなく大局的な対応ができていない」ことを強う批判しました。

  ※フェアトレード・タウン(Fairtrade Town)とは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを旨とした「公平貿易証明」がなされた商品(フェアトレード製品)の利用を促進しているとして、公正貿易証明団体から認定された都市。


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