具体性のない県教委回答に不満の声

 11月19日(火)、埼玉教組・埼玉高教組と埼玉県教育委員会との第1回教育局確定交渉が行われました。
 両教組を代表して、埼玉高教組羽田委員長が冒頭挨拶を行いました。
羽田委員長は、「教育実習生の多くが教育現場のブラック化を目の当たりにし、実習の経験が教員を志望することを敬遠させている」と述べ、「教員採用試験の倍率の低さにもその傾向が顕著である」ことを指摘しました。
 そして、県教育委員会も「教員の働き方改革が喫緊の課題」としていることから、組合としても同じ思いでこの交渉で働き方改革をすすめたいと述べました。
 続いて、組合側からの要求書に対しての県教委回答がありました。県教委の回答は、ほとんど具体的な回答になっておらず、「校長を指導する」「市町村教育委員会に対して情報提供する」「各種研究協議会で働きかけていく」などこれまでの回答を繰り返すもので、県教委の積極的な改善の方策が見られないものとなっていました。
 県教委は「今年度末までにすべての教員が超過勤務時間(時間外在校等時間)を、月45時間以内、年360時間以内とする目標が達成できるようとりくみをすすめている。」としているものの、今年度6月期において、教育職員の45時間超の割合が、県教委自らの調査で小学校29.9%、中学校48,4%であり、目標達成が難しい状況を示しています。併せて、加速度的に増えている「持ち帰り仕事の増加」に対してもその解決策を示していません。
 参加者からは不十分な回答に、不満の声があがりました。加えて、以下の事項について現場の実態を踏まえ参加者した組合員組が質問や要望を行いました。出された意見要望は次の通りです。

 質 問

  • 再任用者の賃金が低いので改善を求めている要望が毎年出ているが、なぜ改善できないのか、その背景についての県教委の考えを聞きたい。
  • 部活動ガイドラインの作成について、地域移行の見通しが立っていない状況を踏まえ、県教委としてどのような政策を打つのか知らせてほしい。
  • 学校給食費の公会計化について、昨年度よりほとんど増えていない。どのくらい熱心にとり組んでいるのか。
  • 私学の入学者が増え、県立高校の入学者の割合が減ってきている。県立高校のありかたについて県教委の考えを聞きたい。

要望・要請

  • 保護者のクレームについて、第三者機関をつくり対応して欲しい・病休者の代員が来ない状況が続いていて、現場は危機的状況だ。早急な対応をしてほしい。
  • 休憩室がない。空き教室もないので対応できていない状況を変えてほしい
  • 高校共学化についてのアンケートをどのように扱っているのか。共学化の完全実施に向けた計画をすぐに決めて示してほしい。

 これらの質問・要望に対しての回答は、2回目以降の交渉で行うこととし、 埼玉教組佐々木委員長が、見解を表明しました。
 佐々木委員長は、「県内のある中学校では、定期テストを業者テストにす ることをもって働き方改革としようとしているが、これは誤った改革だ。真の働き方改革について、引き続きの交渉が必要」と発言しました。
 これを受けて、教職員課渡辺副課長も、「教職員の現状は厳しいものがあるが、今回の組合側の意見を重く受け止めて交渉、協議を続けていく。」とし、第1回目の交渉は終了しました。


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