核と人類は共存できない
被爆80年を考える集い
6月28日、東京・日本教育会館一ツ橋ホールで、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)が主催する「被爆80年を考える集い」が開催されました。
主催者挨拶で、原水禁川野浩一共同議長は自身の被爆体験(5歳時・長崎)を語り、核廃絶の強い思いを表明しました。
次いで、高校生平和大使の経験をもつ3人の女子大学生によるトークセッションがおこなわれました。「被爆者の高齢化で、被爆体験が風化してしまうことが心配」「小学校での出前授業などをさせてもらっている。自らの知識や体験を回りの人たちと共有することを大切にしていきたい」「核兵器は恐ろしく、無くさなければならないもの、と声をあげつづけていきたい」などの発言がありました。
被爆者の思いを受け継ぐ未来に
さらに、「期限のない目標は夢に過ぎない。(被爆者が存命中であろう)2045年までに核兵器廃絶を成し遂げ、2035年までの核先制不使用宣言が目標(2035・2045ビジョン)」(秋葉)、「核被害者の救済なくして、核廃絶なし。核廃絶なくして核被害者の救済なし。核と人類は共存できない」(金子)、「核のタブーを使用のタブーから保有のタブーに広めていくことが核兵器のない世界への現実的かつ倫理的な第一歩」(中村)、「原水禁は命の尊厳を根本に据え、核と人類は共存できないを合い言葉に、運動をすすめてきた。被爆80年、原水禁運動70年を節目に新たなスタートを」(藤本)など、畠山澄子さん(NGOピースボート共同代表)、金子哲夫さん(原水禁共同議長・元衆議院議員)、秋葉忠利さん(前広島市長・元衆議院議員)、中村桂子さん(NPOピースデポ事務局長・長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授)、藤本泰成さん(前平和フォーラム共同代表・元神奈川高教組副委員長)の5名の皆さんがそれぞれの立場・思いで「被爆80年」を語りました。
2025年、被爆80年を迎えますが、核なき世界の実現には未だ至らず、むしろ核兵器使用のリスクは高まり続けています。私たちは厳しい現実を踏まえつつ、核廃絶に向けた課題と展望を多くの仲間と共有し、原水禁運動を大きく広げていかなければなりません。

