埼玉教組の要求で入試制度が改善
入学者選抜県教委交渉
6月12日、県教委・高校教育指導課と「埼玉県公立高等学校入学者選抜に係る交渉」を県労評会館会議室で行いました。
埼玉県の公立高校入試は高校教育指導課が所掌しており、日程や試験内容に於いて中学校現場の実態を反映しないものとなっていましたが、埼玉教組は結成以来、「高校入試の改善」を求めて県教委との交渉を行ってきています。
来年度から実施される(現中学2年生対象)新しい入試制度においては①地域格差や家庭の経済格差の影響を受ける教育課程外の英検、漢検等の実績は点数化しないこと②部活動が任意加入となっていること等から部活動実績の加点制度についてみなおすこと、の2点について、埼玉教組の要請が反映され全国的にも画期的な制度となります。この点については評価しつつ、今年度からの前倒しでの実施を要求しましたが、「現時点では困難」という当局側の回答を受け入れざるを得ませんでした。
また、現在22校で実施している「学校選択問題」について、学校間格差の固定化や中学校現場の負担増を招くことから廃止をするよう求めました。学力検査が生徒が努力した成果を測るという目的から逸脱して点差をつけるための試験となっており、平均点も著しく低い現状を訴え追求しました。これに対して県教委は、適正な学力把握に資する成果は得られている、目標としている平均点となるよう検査問題を工夫改善していくと繰り返すのみでした。
(1)中学校が提出する「学習の記録一覧表」は2027年入試より高校指導課長に提出するのみとする。(2)「受検生への得点開示」は各高校が責任をもって行うことを周知するの2点について改善回答がありました。得点開示については、合格発表時に各高校で行うよう求めましたが、県教委は採点業務と合否判定業務に専念したいと繰り返すのみでした。
2027年入試では、調査書記載は「各教科の学習の記録(9教科5段階)」を基本とし、受検生自らが自分の言葉で記載した「自己評価資料」を参考にした面接が全高校で実施されます。面接では実績そのものではなく、実績に至るまでの過程(プロセス)や意欲、身に付いた力、学びに向かう力などが評価(点数化)されます。その面接方法と適正な面接の得点開示等について、今後も埼玉教組は県教委と交渉を重ねていきます。
