楽しい学校を実現しよう
8月20日、埼玉教組夏季学習会が開催され、「自分も子どもも楽しい学校へ~これからの学校教育のあり方を考えるヒント~」をテーマに宮澤弘道さんが講演しました。
講師の宮澤さんは、都内の小学校に勤務する傍ら季刊「福祉労働」の編集委員をつとめ、また、東京教組多摩島嶼地区教職員組合の執行委員長として日教組運動の場でも活躍されています。道徳教育やインクルーシブ教育にも造詣が深く、分かりやすい口調で各種の研究会等での講師も務められています。
冒頭、教員の現状にふれ、「同僚は仲間」という意識が希薄になり非管理職からの「パワハラ」が増えていることを指摘しその要因を「 階層化」と「人事考課制度」としました。職員会議の形骸化で「学校運営について意見が言えず、言われたとうりにやらされる」だけの「やりがいの喪失」がおきていると指摘しました。そのため、東京都では昨年度は初任者の4.4%が1年以内に退職・転職しており、かつては1%程度だったこの割合が年々増加しており、このことが教員不足の要因のひとつであると述べました。
また、政治的に無関心な教員の多いことにも触れ、「主権者として生活していない先生が主権者教育を担う」ことの矛盾を強く指摘しました。
さらに、①楽しくてわかる授業②楽しくないがわかる授業③楽しいがわからない授業④楽しくなくわからない授業 4つのパターンの授業について、「①と④の評価は一致するが、②と③は評価が変わる。子どもの視点からすれば、③の方がいい授業のはず」と述べ、国語の「一読総合法」、社会科の「輸入野菜の授業」など楽しい授業の実践例を具体的に話されました。また、「教科書が教える化」されており、「考えずにわかった気にさせるものになっていると」現行の教科書の問題点も指摘しました。「残業時間0に向けた」ご自身の実践例・努力例なども示され、たいへん有意義な講演となりました。