安心して心豊かに暮らせる社会をめざして

五者合同学習会

 10月13日、教職員共済山中ホールを会場に「安心して心豊かに暮らせる社会をめざして」をテーマに日教組、退女教、退教、教職員共済、教職員相互共済会の五者合同学習会が開かれました。開会挨拶、主催者挨拶に続いて、日教組和田労働局次長が基調報告を行い、「働き方改革」「新たな研修制度」「部活動の地域移行」などについて現状の報告がありました。

介護保険改善に声をあげよう

 次いで、2つの講演がありました。1つめは、「介護保険制度のこれまでとこれから」の講演を小竹雅子さん(市民福祉情報オフィス・ハスカップ主宰)が行いました。介護保険は国籍にかかわらず日本に居住する40歳以上のすべての人が義務的に加入しています。徴収は市町村が行っており、現在7,717万人が加入しています。保険料は市町村によって、また所得の状況によって異なりますが、全国平均で年額7万2000円程度になっています。老化や疾病により介護の必要性が認定されると、介護サービスを受けることができます。しかし、サービスを受けるためには一定の割合で自己負担金が発生します。小竹さんは「介護認定を受けているのに介護サービスを受けていない人が100万人いる」ことを問題視し、「介護サービスを受けたくても自己負担金が払えないためにサービスを受けていない人が多数いることが考えられる」と述べました。また、徴収した保険料が「介護サービスのため給付金ではなく、介護予防のための地域支援事業等に使われる割合が年々増えていることにも問題がある」と述べました。制度全体として低所得者への配慮に欠けており、私たち一人ひとりが制度に関心を持ち改善を求めていくことが重要です。

憲法改悪を許さないたたかいをすすめよう

 2つめの講演は「憲法改悪は許さない!」の演題で憲法学者の青井未帆さん(学習院大学教授)が行いました。
 青井さんは7月の参議院選で、改憲勢力が2/3を占めたことや6月までの通常国会で衆議院憲法審査会が16回も開催されたことから「憲法改悪の危機」が迫っていることを強く指摘しました。また、改憲派の主張する「改憲」の内容が「現行憲法の下でも法制化できるものほとんど」であることや、「改憲」によって「憲法の他の条項や条約と矛盾する」など不適切な点を抱えおり、「国の統治のあり方を真剣に問う真面目な論議になっていない」ことなどを強く指摘しました。さらに「明治の伊藤博文の方が、現在の自民党より立憲政治を理解している」と、森有礼と伊藤博文との「臣民の権利」をめぐる論争を紹介しました。また、「長期の自民党政権下で「安保法制」の強行採決や、「憲法違反の敵基地攻撃能力を含んだ防衛大綱等の改訂を目論む」など、解釈改憲がすすんで憲法が壊されていることも指摘しました。

 青井さんの講演は「憲法改悪を許さない」たたかいをすすめるとともに、解釈改憲で強行成立された「安保法」などの違憲法を廃止する「憲法を取り戻すたたかい」をすすめなければならないと強く感じさせました。


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