『知る』ということが平和への第一歩

原水禁長崎大会に参加して

埼葛支部  鈴木裕也

 8月7日~9日、原水爆禁止長崎大会が開催されました。埼玉県平和運動センターの仲間とともに参加した、埼玉教組鈴木裕也埼玉教組書記次長の感想を掲載します。

 1945年8月9日に長崎で原爆が投下されました。77年前に長崎の街が焦熱地獄となり、15万人もの人々を一瞬に殺傷し、社会生活をもまるごと破壊しました。その後も今日に至るまでに差別や後遺症にも苦しんだ人、いわゆる被爆者もたくさんいらっしゃいます。 私は、今回の体験から『知る』ということが平和への第一歩だと思いました。正しい知識を持ち、未来を担う子どもたちに安全で平和な世界への橋渡しをしなければならないと感じました。

 長崎では、広島とはまた異なる問題も抱えています。爆心地から近いところにもいたにも関わらず、当時の行政区分から被爆者と認められず、行政からの補償は受けられないということです。未だに後遺症に苦しみながらも冷遇されているのです。そのよう方々が、障害と闘いながらも、被曝の実相を伝え、平和な尊さを教えてくださいました。

 核に対して、「はるか昔の戦争のこと」「抑止力だから今後は使われないもの」という考えが私たちの心の中になんだかぼんやりと広がっていると思います。しかし、昨今のウクライナ侵攻では、ロシアは核兵器の使用も辞さないという発言もありました。また、世界中に原子力発電所があります。福島では、2011年の災害で原発事故を起こし、被爆者・被災者は数多く出ました。2023年には、福島の第一原発の汚染処理水が海洋放出される予定です。新しい核の脅威が私たちのすぐそばに迫っています。

 広島、長崎、福島の悲劇を知れば、誰も核に対して肯定的には思わないでしょう。私は核の恐怖のない世界を心から希求します。長崎では、高校生や多くの若い世代が核廃絶を願い立ち上がっていました。私は、子どもたちに正しい歴史を伝え、共に平和な未来への道を拓いていきたいと思っています。


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