生命は 吉野弘

生命は 自分自身だけでは完結できないように つくられているらしい 花も めしべとおしべが揃っているだけでは 不充分で 虫や風が訪れて めしべとおしべを仲立ちする 生命は その中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分 他者の総和 しかし 互いに 欠如を満たすなどとは 知りもせず
知らされもせず ばらまかれている者同士 無関心でいられる間柄 ときに
うとましく思うことさえも許されている間柄 そのように 世界がゆるやかに構成されて いるのは なぜ?
花が咲いている すぐ近くまで 虻の姿をした他者が 光をまとって飛んできている
わたしも あるとき 誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき 私のための風だったかもしれない
教育の営みは、まさに、このような生命を育てるための地道な日々の積み重ねなのだろうと思います。21世紀の残りの4分の1くらいは、明るい社会になるよるように、子どもたちの前で未来を語れるような人でありたいですね。















