第35回埼玉教育研究集会開催!!

 10月20日(日)、国立女性教育会館(ヌエック)を会場に、日教組第74次全国教育研究集会・第35回埼玉教育研究集会が開催されました。
 冒頭、埼玉教組の佐々木中央執行委員長の挨拶、埼玉高等学校教職員組合(埼玉高教組)の西久保教文部長の基調報告を行い、全体会終了後に午前の部として講演会が行われました。
 今回は、東京大学名誉教授の佐藤学さんを講師に、『探究と協同の学びへのイノベーション-日本の学校教育の抱える課題- 』という演題での講演会でした。
 佐藤さんの講演では、次のような話がありました。

 *世界と日本の校長選出方法の違い
  ○アメリカ型……学校評議会で、教師と親が校長を選出する。○ヨーロッパ型…教の 代表が校長。校長は専門家集団の代表として他の教員と同じだけ授業を行う。○日本型 …校長は官僚組織の末端。学校現場に自由、自立、責任がなく、お役所仕事になる。

 *世界の高校入試制度
 高校入試制度があるのは、日本と香港とシンガポールだけ。このことは日本に大きな 損失をもたらしている。競争主義は格差をもたらす。多くの子どもは挫折を経験させられ、将来に希望を持てなくさせられている。 
 過去には、多くの国が高校入試で競争させていたが、1970年代に方向転換している。世界の多くは大学まで教育は無償化、公教育で学ぶ学生は、社会のために学び、自分のための学習にしないというのがポリシー。 
 世界の大学生はアルバイト禁止、学生は1日平均4時間以上の自主的な学習を行っている。日本の大学生の平均は30分以下。

 *教師の研修時間 
 40年前と比べて研修時間は3分の1へ。校内研修に至っては5分の1。各学校の研修予算も日本は10万円以下、韓国や台湾は1校500万、中国は1000万。

 *教職員組合の組織率 
 世界の教職員組合の組織率はほとんど100%。日本は20%台。日本の教師は政治活動が制限されているが、世界はそうなっていない。世界は、教師が政治活動の中心に なっている状況がある。

 このように、教職員組合としての活動への大きな示唆をいただける内容の講演会でした。 午後の分科会では、大きく6つのグループに分かれて、それぞれが持ち寄ったリポートを発表し合い、活発な意見交換が行われました。


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