現場での業務削減は限界 国・県が改善を

 9月2日、埼玉県教育委員会が主催する「多忙化解消・負担軽減検討委員会」が開催され埼玉教組からは椎名書記長が委員として参加し、働き方改革の推進を求める発言をしました。

  委員会では昨年度までの「学校のおける働き方改革基本方針」の目標達成状況が説明され、「すべての教員の勤務時間外の在校等時間を①月45時間以内②年360時間以内とする」との目標の達成にはほど遠く、20020年度で「年間の超過時間が360時間を越える教員の割合が小学校で69.1%中学校では72.4%」になっています。

 さらにこの数字に対し、参加した委員から「退勤の打刻をしてから仕事をしているケースが管理職自身も含めて多数存在する」ことや「記録されていない持ち帰り仕事が増えている」ことなどが指摘されました。これに対し勝野正章委員長(東京大学大学院教授)は「退勤の打刻をしてから仕事をしているという状況であれば、由々しき問題である」との発言しました。

 次いで、2022年度からの「基本計画」概要が説明されました。新たな基本計画では「『日本一働きやすい』『埼玉の先生になりたい』と言われる埼玉県を目指して」を目指す教職員の働き方として掲げ、「時間外在校等時間月45時間以内、年360時間以内の教員の割合を2024年度末までに100%に」を目標としています。

 「0%にするを100%にする」と書き変えただけの目標ですが、多くの委員から「具体的な業務削減を実施しなければ目標達成は困難」との強い指摘がありました。

  その後、具体的なとりくみ状況についての協議が行われました。

部活動指導員について、108名の予算化に対して77名しか採用されておらず、「なり手不足」が指摘されました。「法定研修以外は廃止するなどの思い切った改革が必要」「 ICTの活用は業務の軽減ではなく負担増になってる。堪能な人が配置されなければ軽減にはならない」「長時間労働する教員に反省文を書かせるなどのハラスメントもおきてる」「育児休業者の代替が見つからないことで、取得しにくい状況が生まれている」等の発言がありました。

 現場では、業務削減に向け様々な努力がなされていますが、現場での業務削減は限界を迎えています。多忙化解決を現場に押し付けるのではなく、行政側(文科省・県教委)が何をするかが問われています。


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