私の教育実践 

比企支部  O.T

 前任校のI小学校で、子どもたちとトウキョウサンショウウオ(絶滅危惧ⅠB)の保全活動をはじめて、今年で4年目になります。県こども動物自然公園内の自生地から卵を預かって学校で上陸まで育て、再び自生地に戻すというとりくみです。卵から孵った幼生(オタマジャクシ)が生き残る割合は自然界で5~10%と言われていますが、学校で十分にえさを与えながら育てると70~80%という高い割合で陸上生活ができるまで育てることができます。
 過去三年間で、子どもたちと育てた600匹のトウキョウサンショウウオを自生地に戻しました。孵化してから産卵行動ができるようになるまで3~4年かかると言われており、今年あたりから子どもたちが放した個体が産卵しているはずです。
 昨年度、私は自然公園の近くのS小学校に異動しました。S小では、4年生の有志が交代で水を換えたりエサをやったりしました。トウキョウサンショウウオは子どもたちに大人気で、昨年配られた端末(タブレット)にはサンショウウオの写真がたくさん保存されています。
 4年生の飼育活動をみて自分もやりたいと名乗り出てきた5年生の女子に、2月から学校で飼育している個体の世話を任せています。彼女は、毎日やってきて、観察や世話を続けています。毎日水槽をのぞき込みに来る3年生もいるので、飼育係の後継者に困ることはなさそうです。
 毎年3月に学校で育てる卵を自然公園から預かるのですが、今年は教室と自然公園をオンラインでつないで贈呈式を行いました。授業の冒頭で自生地の沢から採取した卵を私がその場で預かり、自然公園方がトウキョウサンショウウオの説明をしている間に教室に移動して卵を配り、実物を観察しながら質疑応答するという授業です。
 モニターの中で受け取った卵が15分後には自分の目の前にあるので、子どもたちはとても興味を持ち、積極的に質問をしていました。授業後は、水槽に入った卵は廊下に置き、発生が観察できるようにしました。
 卵から孵ったトウキョウサンショウウオの世話を今年も4年生が行い、子どもたちの手で自生地に戻してもおうと考えています。トウキョウサンショウウオは、人が里山の手入れを行い利用する中でできる豊かな生態系の一部なので、子どもたちが学習を深め、実際に里山の保全も経験してもらいたいと考えています。


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