現場を疲弊させる全国学テ 早急な廃止・見直しを

 2022年度の文科省全国学力・学習状況調査(全国学テ)は4月19日(火)に全国一斉に実施されます。2022年度は例年の国語、算数(小学校6年生)国語、数学(中学3年)に加えて理科を実施します。

 問題の作成・採点などは民間業者に委託しており、2022年度は小学校は「教育測定研究所」、中学校は「内田洋行」が落札し、落札額は合計で約35億円でした。これまでには、ベネッセ、Z会などの教育産業が落札しており、英語を実施した2019年は中学校だけで約30億円かかっています。
 文科省は実施の目的を「教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。学校における教育指導の充実や学習状況の改善に役立てる」としていますが、2009年の段階で文科省は「世帯年収が高いほど、の正答率が高い」「就学援助を受ける生徒の割合が高い学校は平均正答率が低い」と分析しています。保護者の経済力が学力に反映しているのであれば、その格差の解消にとりくむことが喫緊の課題です。
 また、現状分析のためであれば、「全員参加での調査(悉皆調査)は必要ない」という見解が統計学を専門とする多くの学者からだされています。学校、市町村、都道府県をランキングし、過度な競争を煽るための悉皆調査となっています。教職員や子どもたちに疲弊をもたらす全国学テは早急にとりやめるべきです。

キャッチフレーズ募集が県教委の仕事?

 一方、2022年度の埼玉県学力・学習調査は5月9日~5月18日の期間で、小学校4年~中学1年は国語・算数(数学)中2~3は国語・数学・英語を市町村教育員会が実施日を決定し実施することになっています。実施日については2019年までは全国学テ実施日直前の4月当初になっていましたが、私たちが日程の改善を強く働きかけたことから、2020年以降は一定の改善がなされました。しかし、2億4000万円(2021年度予算)も計上して実施する必要があるのでしょうか? また、県学調について県教委は「学習した内容がしっかりと身に付いているのか」という今までの視点に、「一人ひとりの学力がどれだけ伸びているのか」という視点を加えることで、「子供たちの成長していく姿が見える、全国でも初めての調査」と自画自賛しています。その一方で、市町村別の正答率をHPに掲載し、競争を煽っています。さらに、過去問に類する「県学調復習シート」をHPに掲載し、テスト対策を半ば強制しています。 県教委は、2023年度からタブレット端末を使用した調査に段階的に移行するとしており、子どもたちや教職員に新たな負担がかかることは明らかです。現在、県教委は「より多くの皆さんにこの調査を知っていただくため」として「キャッチフレーズ」を募集しています。こんなことまでして継続しなければならないのでしょうか? 何が本当に子どもたちのためになるのか改めて問われなければなりません。


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