教育現場を歪める全国学テ

学力よりテストが大事?

  5月27日、昨年は文科省が実施を断念した「全国学力・学習状況調査」(全国学テ)が小学校6年生と中学3年生を対象に全国一斉に実施しました。県内では7つの小中学校が学校行事等の関係で同日実施しませんでしたが、7校すべてが後日実施するとしています。
  1昨年までは4月当初に実施されていたものが、1ヶ月遅れたことで、「学級づくりよりテストが優先」「試験監督で初めて教科担任の最初の顔合わせが試験監督」などの批判を解消することができましたが、一方で「過去問にとりくむなど事前学習の時間が増えた」などの現場の声も聞こえます。
  大阪市では「緊急事態宣言」下で、教員に多大な負担をかけ、それでも「命・健康を守るため」との名目で午前中はオンライン授業を実施しており、通常の授業を行っていませでした。その中でも「全国学テは実施」という信じられない事態がおきています。(現場や教育関係者からの批判もあり実施日直前に通常授業に戻しましたが)まさに、「命よりテストが大事」としか受け取れとれません。 

不正がまかり通った過去のテスト

 全国学テは文科省の強い意向で、平均点をあげるために「教員が試験中に答えを教える」「点数が低くくなりそうな子は受けさせない」など1960年代の全国調査の数々の問題点を指摘し、実施に懐疑的な多くの声を押し切り2007年度から実施されています。
  これまで、2011年の東日本大震災、2020年の新型コロナウイルス感染症による全国一斉休校により2度実施を見送っているほか、2016年の熊本地震発生時には熊本県の全小中学校と近県の一部の学校で実施しませんでした。
  また、民主党政権時の2010年には約3割の抽出調査になりましたが、自民党政権の復帰後の2013年からは再び悉皆調査となっています。更に、一昨年は前年の予備調査で数々の問題点が指摘されたにもかかわらず、中学校英語「話すこと」調査をパソコン端末を用いて実施し、多くの批判を招きました。

悉皆調査は早急に中止を

  文科省は実施の目的を1)児童生徒への教育指導の充実や改善等に役立てる2)国の教育施策をその改善を図る。としていますが、指導の改善ならば定期テストなど普段のテストで十分であり、実態の調査ならば悉皆ではなく抽出で十分であり、むしろ、「事前準備などの対策を取る学校がある中での悉皆の方が不正確」との専門家の声もあります。 
  実施経費は、年によって違いがありますが、小中とも20億円を超える価格でベネッセ・内田洋行・Z会などの教育産業や電通・JPメディアダイレクト(日本郵政グループ)などの情報産業が落札しています。
  子どもたちや教員に負担をかけ、40億もの経費を費やす価値のある事業とは到底考えられません。更に、都道府県や市町村、学校毎の結果が公表されることで、「学テのための学習」に重点がおかれ、「教育課程が歪められている」現状は現場から多数報告されています。


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