さいたま市義務教育学校設置に疑問の声 地域や教職員との十分な議論を

 さいたま市教委が2つの小学校と1つの中学校を統合した、小中一貫の義務教育学校を設置する検討を始めことが明らかになりました。計画通り実現すれば3千人規模の国内最大級の義務教育学校が誕生することとなります。

 文科省は学校教育法を改正し、2016年度から小中学校の9年間の教育課程や教員態勢を一体化させ、いわゆる「中1ギャップ」が解消されるなどをメリットとして義務教育学校を制度化しました。文科省学校基調査によれば、2020年度までに全国で126校が開校していおり、県内では、2019年に春日部市立江戸川小中学校が開校しています。

 義務教育学校は過疎地域などで学校統廃合を伴い設置されたものも多く、1校あたりの平均の児童・生徒数は380人となっています。東京都品川区では18校の小中学校が統廃合されて6校の義務教育学校が設置され、実質12校を廃校にしています。 

 先行している義務教育学校ではリーダーシップや自主性を養う機会の減少、小学校卒業の達成感の喪失などいくつかのデメリットも報告されています。又、都市部の学校では私立中への進学で、中学の規模が縮小するなどの課題もおきています。

 また、今回のさいたま市の計画では、他に類をみない3000人規模のマンモス校になることが想定されており、学校規模の問題で、他の義務教育学校には見られない新たな課題も予想されます。

 新学習指導要領の実施、ギガスクール構想の実現など様々な新たな課題がある中、教育委員会や学校現場に多忙化をもたらすプロジェクトであることは否定できません。

  具体的な実施計画の前に、義務教育学校についての是非、学校規模についての考察等を十分に議論したうえ、「設置ありき」の拙速な対応は認められません。何よりも、「働き方改革」が最大の課題とされているこの時期に、新たなプロジェト提起することの必要性が理解できません。地域保護者や現場の教職員の理解を得ての設置が強く求められます。


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