第31回日教組関東ブロックカリキュラム編成講座 in 茨城

第31回日教組関東ブロックカリキュラム編成講座 in 茨城

 

 第31回日教組関東ブロックカリキュラム編成講座が8月18、19日、茨城県水戸市で開催されました。初日には「点数至上主義・教育格差からの脱却に向けた教育行政・学校現場の役割とは」という演題で前川喜平さん(元事務次官)が記念講演を行いました。また、分科会では、南支部の組合員が、「川口の夜間中学校の現状と課題?多様な生徒の学力保障に向けて?」と題して、自らが勤務する夜間中学校のとりくみを発表しました。

     教育環境整備の改善は急務~夜間中学校

 この4月に埼玉県に開校した川口市立中学校分校は、2016年12月に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(義務教育機会確保法均等法)基づき千葉県の松戸一中未来分校とともに公立夜間中学校として22年ぶりに開校しました。  10代から80代までの日本人30人と海外13カ国47人の計77人の新入生を迎え、開校した川口夜間中学について、「学校ができたことは喜ばしいこと」としながらも、「年齢・国籍など多様な生徒に対応する教育条件がまだ十分に整っていない」という現状があります。設置そのものは新聞やテレビで報道され、頑張って学習にとりくんでいる高齢者や外国人の姿が好意的にとりあげれらていても、通常の(昼間の)中学校や夜間定時制の高校では、あたりまえに実施されている給食も、実施されていないことについてはほとんど報道されていません。  参加者からの「不十分な教育環境をどのように変えていくのか」という質問に、直接の設置者である市やサポートする責任のある県教委に「組合を通しで訴えていく」と答えました。

 

日々の実践は私たちが創造するもの

 ~前川喜平さんの講演をきいて~

 

 講演で興味ぶかかったのは,長年文部行政にたずさわった前川さんの「学習指導要領」についての歴史的な考察でした。学習指導要領は,あくまで「大綱的基準」であるとした76年の旭川判決が生きているが,日本の植民地支配をみとめた97年の河野談話に敵対する通称「教科書議連」(当時の事務局長が安倍現首相=現顧問)のうごきで,日本の教育がゆがめられてきたと話されました。しかし,性教育についてあらそわれた2011年の七生養護学校の東京高裁判決で,「教育委員会は行政の不当な介入に対して教員を保護する義務がある」として原告が勝訴した点をたかく評価しました。また,中曽根内閣がもうけた「臨教審」の結論も中曽根首相のねらいとは逆に,個性の尊重や生涯学習(生涯教育ではないことに注意)をうちだしたのは注目に値するとのことでした。また,学校教育は「自治事務」であるので,あくまで権限は自治体にあるという指摘にハッとさせられました。文科省がすすめる「学力・学習状況調査」も,問題がおおいので参加しないという決定は自治体単位でできるわけです。導入当初,愛知県犬山市は参加を断っていました。  安倍一強政権で,教育への不当な支配と,権力者に忖度する傾向がつよまっていますが,06年「改悪教育基本法」にも,「個人の尊厳」「不当な支配の否定」という理念がのこっている重み,道徳も指導要領解説には,私たちがふみとどまるキーワードがあることなどを指摘されました。 演題にふみこむ具体的な提案は「夜間中学」や「定数改善」にふれた程度でした。また,「臨教審」「文科省と日教組の和解」についての肯定的な評価に,私自身はすこし違和感をもちました。しかし,指導要領はあくまで大綱的基準であり,カリキュラムの編成権は学校にあることを文部行政の責任者であった前川氏の口からきけて,子どもによりそった,現場からの教育改革をすすめる勇気をもらった講演でした。日々の実践は教員と子どもが創造するものなのです。みなさん,元気をだしていきましょう。          

 

 

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