書籍紹介 渡瀬義男著 「中江兆民と財政民主主義」

「中江兆民と財政民主主義」 渡瀬義男著

 日本経済評論社 2100円+税

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 東洋のルソーとも呼ばれる中江兆民が,帝国議会の開会,明治憲法の発布へ向けて,国会議員がいかにあるべきか。また,議員と国民(人民)がどのような関係であるべきかを,世論に喚起し,藩閥政権といかに闘ったかを示してくれる快著です。
 著者は,兆民の主張の根幹には「財政民主主義」思想が一貫して流れていたことを,繰り返し指摘しています。
 予算編成の権限も含めて,国民の代表である議員が予算の内容,増減を審議し,議決する権利を持つことこそが,主権在民の基本だという主張なのでしょう。当時の状況からラジカルな発言は弾圧の対象となるのですが,兆民の意志は,著者が言うように「壁を破るのは……二十一世紀の世代に託されている」のです。時あたかも来年度予算編成期。国民の,そしてその代表者の議員による,熟議と判断が尊重されてこその「財政民主主義」ということになるのでしょう。憲法問題や自民党「独裁」を考えるうえでも示唆に富んだ著作です。


編集のミスで9月号の書籍紹介に8月号と同一の記事が掲載されました。
  謹んでお詫びいたします。

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