2017学習指導要領批判   埼玉教育フォーラム幹事会報告

 9月13日、埼玉教育フォーラム第94回幹事会が開かれ、東京学芸大学の大森直樹さん(埼玉県在住)の報告を受け、今、文科省で検討が進められている2017新学習指導要領案について、批判的検討が行われました。
 大森さんは2017学習指導要領批判評価できる点を4点あげました。①「話す」「書く」「読む」「計算」など、すべての学習の基礎となる内容が盛られていること。②子どもが自然・社会・人間について認識を深めるときに必要になる学問の体系にかかわる内容が盛られていること。③文学や芸術、スポーツなど、表現や鑑賞を通じて、子どもが生きることを励ます内容が盛られていること。④子どもがいま、直面している生活の課題や人生の課題を見つめるため、①,②、③の学習を総合して学ぶ内容が盛られていること。子どもは未来の準備のためだけに学ぶのではないから、この点は重要である。
 しかし、見過ごすことのできない問題点が次の6点あると指摘しました。①授業数の増加、土曜、長期休業中の授業の奨励、また、学習量が多すぎて学習に必要な心の余裕を奪うものになっていること。②会話中心の外国語を小学校に新設や、IT人材の育成など社会が人々に求めている能力を、子どもに性急に育成しようとする内容が多いこと。③国が定めた「道徳の内容」22項目を子どもに教えて、その定着を評価するものになっており、「考え議論する道徳」(アクティブ・ラーニング)も、国が定めた道徳を身につけることが前提になっていること。④「目標」「内容」にかかわる記述が多すぎて、教員による焦点についての理解を妨げ、教育課程づくりを煩雑にしていること。⑤「目標」「内容」にかかわる記述の多さが、その帰結として、評価を肥大化させ煩雑にすることが、より深刻な問題であること。(関心・意欲・態度は大切ではあるが、評価すべきではない。) ⑥「指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い」にかかわる記述多すぎて、教員による自発的で主体的な教育課程づくりと教育方法についての研究を損なっていること。
 ただし、新学習指導要領の、そうした問題点を教職員が把握していれば、新学習指導要領によってもたらされる学校の混乱と子どもへの被害を小さくすることができる。また、新学習指導要領の中にある評価できる点を生かしていけば、各教室、学年、学校において、シンプルで余白が大きく子どもの遊ぶ時間を圧迫しない教育課程を組むことのできるようになる。そうすれば、教員と子どもが「させられる教育」「形だけのアクティブラーニング」「評価のための教育」から解放されて学校という生活の場を豊かなものにしていくことができるだろう。

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