日本社会の変容と子ども・若者の貧困  埼玉教育フォーラム11周年記念集会開催

五月二十七日、さいたま市浦和コミュニティセンター会議室を会場に埼玉教育フォーラム11周年記念集会が開催されました。会場には、市民、埼玉教組、高教組をはじめ、組合員が約七十名が参加し、熱心に学習しました。
主催者代表挨拶に続き、記念講演が行われました。記念講演では、講師は東大大学院教授である本田由紀さん。「日本社会の変容と子ども・若者の貧困」というテーマで約2時間にわたり、熱弁をふるいました。
初めに戦後日本社会の変化と二つの世代、団塊世代と段階ジュニア世代を高度経済成長以後、一九七三年から九一年の「虚構の時代」、九二年以降現在に至る「不可能性の時代」の分析を行い、「正社員」、「家族(母)」、「教育」の三つのモメントが「賃金」「教育費・教育意欲」「新規労働力」という三つの右回りの「戦後日本循環モデル」が破綻していくプロセスを明らかにしました。すなわち、何の支えもなく孤独に耐える個人の増加。賃金や労働条件の劣悪化、教育費・教育意欲の家庭間格差の拡大、離学後に低賃金で不安定な仕事に就かざるを得ない層の拡大、政府のよる産業政策としてのセーフティネットの切り下げが進んできたこと等、様々な資料、統計を駆使して説得力ある論を展開しました。
そして、今こそ新たな社会モデルが求められるとして、「NPO社会的企業、ジョブ型正社員」、「家族」、「教育」の三つのモメントがそれぞれが双方向で支え合うことの大切さを訴えました。幅広いセーフネット、アクティベーションに支えられ、ワークライフバランス、男女共同参画、保護者や地域に開かれた学校が発展すること、学校が家族へのケアの窓口になること、教育の職業的意義を高め、リカレント教育を推進することの意義について述べられました。そして、今後、生活困窮者自立支援制度や学習支援の不十分点を点検しながら「支援」を越えて、上からの「支援」ではなく、共に生きる対等な仲間という関係を確認しながら、現在の諸問題を「排除する社会」の問題として捉え、それに働きかけ、変革させていく姿勢が不可欠であることを強く訴えました。
講演後、大きな拍手が巻き起こり、秦哲美埼玉教育フォーラム幹事のまとめと挨拶で閉会しました。

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